例ならず(読み)レイナラズ

デジタル大辞泉 「例ならず」の意味・読み・例文・類語

れいなら◦ず

いつもと違っている。
「―◦ず御格子みかうしまゐりて」〈・二九九〉
からだがいつもの調子でない。病気である。また、妊娠している。
「―◦ぬさまに悩ましくし給ふ事もありけり」〈宿木

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「例ならず」の意味・読み・例文・類語

れい【例】 ならず

① ふつうと変わって、様子が違う。いつものようでない。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「この女、れいならぬけしきをみていと心うしと思て」
身体がふつうの状態でない。気分が悪い。病気または妊娠などについていう。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「あやしく、などか御様のれいならずおはします」
[補注]②は好ましくない状態を直接的にいうのを避けた婉曲表現。「宇津保」には、挙例以外に「ふれい重くすべかりし女人は」(藤原の君)のように「不例(ふれい)」も見られる。「不例」は「例ならず」の漢文表記を音読してできた語。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android