侘人(読み)わびびと

精選版 日本国語大辞典 「侘人」の意味・読み・例文・類語

わび‐びと【侘人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 悲しみに沈んでいる人。困り悩んでいる人。わびにん。
    1. [初出の実例]「ははがおもひにてよめる 神な月しぐれにぬるるもみぢばはただわび人のたもとなりけり〈凡河内躬恒〉」(出典:古今和歌集(905‐914)哀傷・八四〇)
  3. 時を得ず、世をわびてさびしく暮らす人。わびずまいの人。隠者。わびにん。
    1. [初出の実例]「わび人のわきてたちよるこのもとはたのむかげなくもみぢちりけり〈遍昭〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋下・二九二)
  4. 零落した人。見すぼらしい人。貧しい人。わびもの。わびにん。
    1. [初出の実例]「己は侘人に候ふ。寒堪難く候へば、其奉る御衣を一つ二つ下(おろ)し候はむと思給ふる也」(出典今昔物語集(1120頃か)二三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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