…このような規定は,行政行為の要件と効果について行政庁に行政裁量を認めたものである。ところで,従来の自由裁量論は,裁量行為の中で,裁判所の審査に服するものと,服しないものとを分類し,前者を何が法であるかの裁量すなわち法規裁量(羈束裁量),後者を何が行政の目的または公益に適合するかの裁量すなわち便宜裁量(目的裁量,狭義の自由裁量)としたうえで,法規裁量と自由裁量の区別の基準を何に求めるかという議論が中心になっている。通説的見解は,法の趣旨・目的の合理的・合目的的解釈により,法が一般法則性を予定している場合か,政治的・技術的裁量を許容する趣旨であるかによって区別すべきであるとする。…
※「便宜裁量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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