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自由裁量 ジユウサイリョウ

デジタル大辞泉の解説

じゆう‐さいりょう〔ジイウサイリヤウ〕【自由裁量】

法の拘束に対して一定の範囲内で行政庁の自由な判断や行為が許されること。

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百科事典マイペディアの解説

自由裁量【じゆうさいりょう】

行政機関が法の認める一定の範囲内で自己の自由な判断により適当の行政行為をなし得ること。その判断が当を失しても,法定範囲内では違法の問題とはならず,したがってその行為の当否裁判所の取り扱う範囲外となる(行政不服審査の対象にはなる)。

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世界大百科事典 第2版の解説

じゆうさいりょう【自由裁量】

ある事案の処理が,特定の個人または機関の判断にゆだねられている場合,判断の基礎となるさまざまな材料について他からの指図や拘束を受けず,自由に選択考量することをいい,その考量に基づく判断を自由裁量による判断または決定という。このように自由裁量は,通常の用語としては,判断材料に関する選択の自由あるいは選択の幅や余地を意味するが,法的用語としては,統治機関としての立法,司法および行政の各機関が行使する裁量のことをいい,各機関の区別に応じて,立法裁量司法裁量または行政裁量と呼ばれる。

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大辞林 第三版の解説

じゆうさいりょう【自由裁量】

法の規定が十分でない場合に、判断や行為が行政庁にまかせられること。 → 行政行為
便宜裁量」に同じ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自由裁量
じゆうさいりょう

裁量行為」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自由裁量
じゆうさいりょう

裁量ないし自由裁量とは、一般的には、あらかじめ存在する枠組みの範囲内での独立の判断・行動の余地をいう。憲法の枠内での立法者の自由な決定の余地という意味での立法裁量、法の適用にあたる裁判官に認められる法の枠内での自由な法適用の余地という意味での司法裁量のほか、法律の枠内での法律の適用・運用や下位法令の定立に際して認められる行政裁量があるが、おもに論じられてきたのは行政裁量である。以下、行政裁量に限って説明する。
 行政法学では、行政庁が法の拘束を受けるかどうかを基準として、行政行為を覊束(きそく)行為と裁量行為に分け、裁量の認められる裁量行為について法の趣旨にかなった裁量を行使することが必要な法規裁量行為と、法から自由な裁量が認められる自由裁量行為とに二分してきた。法規裁量行為は裁量と称しているが、法の趣旨にかなった裁量行使かどうかについて裁判所の審査を受ける点で覊束行為と変わらない。これに対し自由裁量行為はその当否について司法審査を受けない特色がある。しかし、自由裁量といえども、法律の認める範囲内で許されるのであるから、裁量の権限を逸脱したり(裁量権の限界の踰越(ゆえつ))、法の趣旨(平等原則・比例原則など)に反して行使したり(裁量濫用)すれば違法となる(行政事件訴訟法30条)。
 行政に自由裁量が認められる理由は、立法者が将来のあらゆる事態に対応する詳細かつ合理的な規定を置くことが不可能であり、個々の事情に即した柔軟かつ合理的な解決が必要であるためである。しかし、自由裁量を認めると、つねに濫用のおそれがあるので、それを適切に統制することが行政法学の課題とされてきた。
 そこで、行政法学では、司法審査の対象となる法規裁量と、踰越・濫用がない限り司法審査の対象とならない自由裁量の区別の基準を探究することに努力してきた。もともとは、法律の文言を重視し、法律が行政の行動を規制する詳細な定めを置かないときは自由裁量とする説と、法律の文言いかんにかかわらず国民の権利を侵害する行為は自由裁量行為ではありえないとする説が対立していたが、結局、法の趣旨目的の解釈によるものであり、政治的・技術的領域では自由裁量を認めるものが多いともいわれる。
 最近は行政行為を自由裁量行為か否かに範疇(はんちゅう)的に二分するのではなく、同一の行政行為について羈束的要素と裁量的要素があるとの観点から、行政行為の諸要素(要件、目的、手続、均衡=比例性=処分の選択、処分の発動・不発動)について個々に裁量の有無を論定する傾向にある。[阿部泰隆]

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世界大百科事典内の自由裁量の言及

【行政裁量】より

…行政裁量とは,行政権による裁量,すなわち国または地方公共団体の行政機関が,行政権限の具体的な行使に当たって用いる自由裁量をいう。行政裁量という言葉は,立法裁量(立法権による裁量),司法裁量(司法権による裁量)に対する意味で用いられているが,現代国家における自由裁量の理論は,主として行政裁量に関するものであり,したがって,行政裁量のことを,単に自由裁量ということもある。…

※「自由裁量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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