普及版 字通 「俛」の読み・字形・画数・意味


9画

(異体字)俯
10画

[字音] フ・ベン
[字訓] ふす・かがむ

[説文解字]

[字形] 会意
正字はに作り、兆(ちょう)+頁(けつ)。頁は中で儀礼を行うときの儀容とは、前で行う卜兆を仔細に見ることをいう。〔説文〕九上に「頭を低(た)るるなり。頁との省とに從ふ。太の卜書に、仰(ふぎやう)の字は此(かく)の如くす。揚雄曰く、人面の(うつむ)くなり」とあり、俯仰の字とする。また一体として俛を録し、「俛は或いは人に從ふ」と会意とするが、俛は(免)(べん)声のある字である。俯は形声、俛は亦声と解してよい。俛首・俛視のときは俯(ふ)の音、〔礼記、表記〕「俛焉(べんえん)として日に(しし)たることり」のときはの音でよむ。は分の字で、そのような姿勢をいう。

[訓義]
1. ふす、かがむ。
2. つとめる、同じ姿勢でつづける。

[古辞書の訓]
名義抄〕俛 フス・ウツブス・ツトム・イタリ・タル・ヒザマヅク・ナマジヒ・アフグ・アグ 〔字鏡集〕俛 タル・ツキテ・ツバビラカ・アマネク・フス・ツク・カタ・クダル・フシトコロ・ハジメ・シリヘ

[語系]
俛(俯・)pioは同声。俛は分のときの姿勢であるに従い、俯はpioと同じく、(ふ)はうつぶして首が動かない状態、また(ふ)は卜兆を仔細に点検する意。字源それぞれ異なるが、同じような姿勢をいう同系の語である。

[熟語]
俛起俛泣・俛俛仰・俛屈・俛視・俛首俛拾俛就・俛然俛啄俛眉俛附・俛伏俛眄俛黙俛容俛僂・俛焉俛勉
[下接語]
偃俛・小俛・拝俛・眉俛・俯俛

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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