保険外務員(読み)ほけんがいむいん

改訂新版 世界大百科事典 「保険外務員」の意味・わかりやすい解説

保険外務員 (ほけんがいむいん)

生命保険会社に所属して保険契約の締結媒介する者のことで,保険外交員,保険勧誘員などともいう。〈保険募集の取締に関する法律〉にいう生命保険募集人(生命保険会社の役員使用人等を含む)に含まれる。保険外務員は登録を受けなければならず(保険募集の取締に関する法律3条~7条の2),生命保険会社は外務員として入社希望の者から適任者を選別して所定の研修を行い,外務員試験に合格した者に限り大蔵省に生命保険募集人登録を行う。これらの保険外務員の多くは既婚婦人である。給与は歩合給的色彩が強く,また営業成績によって資格も異なっている。その権限は契約締結の媒介に限定され,第1回保険料を受領できるだけのため,契約者が外務員に告知しても告知義務を履行したことにはならないから注意を要する。

 保険外務員は,昭和30年代には著しく増加したが,現在は各生命保険会社とも外務員の量的拡大よりも質的向上を目ざしている。外務員採用基準の強化,教育訓練の充実などを通して,保険,年金,金融全般についての高度な知識を有するライフ・コンサルタントとしての育成に力を入れている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の保険外務員の言及

【簡易保険】より

…簡易保険契約は,国が保険契約者または第三者の生死について保険金を支払うことを約し,その対価として契約者が国に保険料を支払うことによって成立する。全国各地の郵便局に配属された保険外務員によって募集されている。現在販売されている簡易生命保険の種類には,終身保険,定期保険,養老保険(普通養老保険,特別養老保険,学資保険,成人保険),家族保険,財形貯蓄保険があり,傷害特約,疾病傷害特約を付すことができる。…

※「保険外務員」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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