改訂新版 世界大百科事典 「俱留尊山」の意味・わかりやすい解説
俱留尊山 (くろそやま)
〈くるそやま〉ともいう。三重県津市の旧美杉村と奈良県宇陀市の旧室生村の境にある山。第三紀の室生火山群の主峰で,標高1037m。室生火山岩は流紋岩質の溶結凝灰岩を主とし,厚さ400m以上,東西28km,南北15kmにひろがる。山頂からの眺望がよく,山頂付近の東斜面の急崖には俱留尊石仏がある。中腹の池の平と呼ぶくぼ地は,第2次大戦後の開拓地で畑地となり,キャンプ場もある。山の西側を流れる青蓮寺川は溶結凝灰岩を深く浸食し,柱状節理の露頭が見事な香落渓(こおちだに)の峡谷をつくり,周辺は室生赤目青山国定公園に指定されている。また下流に洪水調節などを目的とした青蓮寺ダム(1969完成)が設けられている。
執筆者:水山 高幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報