俵屋(読み)たわらや

精選版 日本国語大辞典 「俵屋」の意味・読み・例文・類語

たわら‐やたはら‥【俵屋】

  1. [ 一 ] 江戸時代、京都四条にあった薬屋。ふり出しかぜ薬の五積散(ごしゃくさん)が知られ、各地に売りひろめられた。
    1. [初出の実例]「近年は売薬が繁昌して、〈略〉小田原外郎、俵屋ふり出し、其外数もかぎらぬ薬店」(出典:浮世草子・諸道聴耳世間猿(1766)三)
  2. [ 二 ] 江戸上野広小路(東京都台東区上野三・四丁目)にあった江戸時代の薬屋。京都の俵屋が製造するかぜ薬五積散を販売。
    1. [初出の実例]「たわらやをたてつけてぼろさらいきせ」(出典:雑俳・柳多留‐一〇(1775))
  3. [ 三 ] 江戸新吉原京町一丁目(東京都台東区千束四丁目)にあった遊女屋
    1. [初出の実例]「まづきさかたか、たはらやのよしのにしき戸の若づるがでるし」(出典:洒落本・通言総籬(1787)一)
  4. [ 四 ] 俵屋宗達、または宗達の経営した工房(絵屋)の名称。
    1. [初出の実例]「扇は都たはら屋が、源氏の夕顔の巻、絵具をあかせて書きたりけり」(出典:仮名草子・竹斎(1621‐23)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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