普及版 字通 「俶」の読み・字形・画数・意味


10画

[字音] テキ・シュク
[字訓] すぐれる・よい・はじ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は叔(しゆく)。叔に(でき)・督(とく)の声がある。〔説文〕八上に「善なり」とし、また「一に曰く、始めなり」という。〔詩、小雅、大田〕に「俶(はじ)めて南畝に載(こと)あり」、また〔詩、大雅、既酔〕「令、俶(てき)たるり」、〔詩、大雅、高〕「俶たるり」など、卓絶の意にも用いる。俶儻は卓異、人の卓異なるを本義とする字であろう。

[訓義]
1. すぐれる、まさる、おおきな。
2. はじめ、はじめる、うごく。
3. 淑と通じ、よい、ととのう。

[古辞書の訓]
名義抄〕俶 ハジム・サカリニ 〔字鏡集〕俶 アツシ・ハジメ・ウゴク

[語系]
俶thjiuk、淑zjiukは声近く、〔説文〕十一上に「淑はく湛(す)むなり」と訓する。俶の本義はthyek、卓・倬tek、thekにく、俶儻・卓異の義。また〔説文〕に俶を叔声とするも、字は「徒反(テキ)」で、その音が本音であろう。

[熟語]
俶献俶載俶始俶爾俶擾俶辰俶遷・俶然俶装俶落俶奇・俶・俶儻
[下接語]
有俶

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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