普及版 字通 「倪」の読み・字形・画数・意味
倪
10画
[字訓] おごる・みる・ひめがき
[説文解字]
[字形] 形声
声符は兒(げい)。〔説文〕八上に「俾なり」とするが、俾益の意に用いる例なく、(ひめがき)の意を以て解したものであろう。堕倪(だげい)は傲る、旄倪(ぼうげい)は老弱、端倪(たんげい)はもののはじめをいう。兒は虹(こうげい)のの初文。虹の両端に首があり、兒はその首の形。虹は左睨右睨する双頭の竜の形で、その身は長大にして、端倪を知りがたい。またその勢いは偃蹇(えんけん)として傲るに近い。城上のは城壁の両端をため、よく睨(へいげい)する意を以て睥睨といい、また略して・という。
[訓義]
1. おごる、睨して人に傲る。
2. ながしめ、よこめ、にらむ、みる。
3. 城上のひめがき。城壁の両端を占める。
4. 両端のきわ、かぎり。
5. (げい)に通じ、幼い、かよわい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕倪 ヲノヅカラ・ナクス 〔字鏡集〕倪 ナクス・カキ・ヲノヅカラ
[声系]
〔説文〕に兒声として鬩・睨・霓・など十六字を収め、みな倪の声で、児童の兒(児)(じ)の声義をとるものがない。児童の兒は頭骨の縫合がまだ堅まらない状態を示し、虹・雲霓の象である兒(げい)とはまったく異なる字である。
[熟語]
倪倪▶・倪▶・倪際▶・倪歯▶・倪露▶
[下接語]
堕倪・端倪・天倪・俾倪・旄倪
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報