偉大な社会(読み)いだいなしゃかい

山川 世界史小辞典 改訂新版 「偉大な社会」の解説

「偉大な社会」(いだいなしゃかい)
Great Society

アメリカのリンドン・ジョンソン大統領が1965年に提唱した国内政策構想。貧困の解消教育機会拡大人種差別廃止などをめざす諸政策を提唱しそれらの立法化に実績をあげた。この構想にみられた貧困解消などへの楽観主義は彼の退場後のアメリカにはみられない。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の偉大な社会の言及

【アメリカ合衆国】より

…そこで64年には,投資減税と所得税率の引下げによる大幅減税が実施されて予想以上の効果をおさめた。政府はそれに続いて積極的に民間経済に介入し始め,不況時の財政支出の増加はもとより,ジョンソン大統領の〈偉大な社会〉をつくるための社会保障をはじめとする福祉政策が重点的に実施されるようになった。かくてアメリカ経済は,20世紀以後かつてない長期繁栄を享受することになったが,しかしこの間,日本や西ヨーロッパ諸国の経済復興と成長が軌道にのり始めるとともに,世界経済に占めるアメリカの優位はしだいに低下の傾向をたどり始めた。…

【ジョンソン】より

…国民にケネディ路線の継承を呼びかける一方,コンセンサスをうたう巧みな議会工作で公民権法の制定,貧困撲滅,社会保障の拡充,学校教育に対する連邦の援助などの政策を次々に実現化し,その指導力を印象づけた。64年の大統領選で圧倒的な支持を得て当選すると教育,福祉,人種差別廃止,環境保全,都市開発など広範にわたる〈偉大な社会〉政策を提唱したが,これらは以後のアメリカ社会を方向づける基本的要素となった。外交面ではソ連やラテン・アメリカ諸国との関係改善に成果をあげたが,65年ころからはベトナム戦争が最大の問題となった。…

※「偉大な社会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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