大学事典 「優等学位」の解説
優等学位
ゆうとうがくい
イギリスの大学の学士課程で優秀な成績を修めた学生に与えられる学士号で,最終試験の成績によりファースト,アッパー・セカンド,ロウワー・セカンド,サードの4段階に分けられる。優等の基準に満たなかった場合,普通学位(イギリス)(ordinary degree,pass degree)が与えられる。中世以来の討論裁定を中心とする学位試験の形骸化が批判されていた18世紀半ば,競争的要素の導入により学位試験を実質化・活性化し,学生に学習への動機づけを与える目的で開始された。ケンブリッジ大学において,数学トライポス(Tripos)と呼ばれる試験の成績優秀者を成績順に公表したのがその嚆矢である。オーストラリアやカナダでは,通常の学士課程より1年程度長く学び,研究論文を作成した学生に授与され,大学院進学の条件としてその取得が課される場合もある。
著者: 中村勝美
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報