嚆矢(読み)コウシ

デジタル大辞泉 「嚆矢」の意味・読み・例文・類語

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精選版 日本国語大辞典 「嚆矢」の意味・読み・例文・類語

こう‐しカウ‥【嚆矢】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「嚆」は、さけびよぶこと ) やじりに鏑(かぶら)を用いていて、射ると音をたてる矢。かぶら矢。鳴箭(めいせん)
  3. ( 昔、中国で、戦争初めを射たところから ) 物事の初め。最初。
    1. [初出の実例]「至今耀武拠国者、皆以頼朝嚆矢」(出典:羅山先生文集(1662)二五・七武余論)
    2. 「是を瓦斯灯の嚆矢とす」(出典:西洋聞見録(1869‐71)〈村田文夫〉後)
    3. [その他の文献]〔荘子‐在宥〕

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故事成語を知る辞典 「嚆矢」の解説

嚆矢

何かの先がけとなるもののたとえ。

[使用例] わが国における写真の歴史を今ここに詳しく説いている暇はないが、〈略〉アメリカ船員が我が役人らを撮影し、あわせてその技術を教えたのが嚆矢であると云う[岡本綺堂半七捕物帳|1923]

[由来] 「荘子ざいゆう」に出て来ることばから。こざかしい知恵を振り回すことが世の中の乱れの原因だ、とする考え方から、「賢者として知られたそうちゅうも、極悪人として有名なけつおうとうせきの『嚆矢(戦いを始まるを合図として放つ、音の響く矢)』ではなかった、とだれに言えるだろうか」と嘆いています。

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