大学事典 「学士課程」の解説
学士課程
がくしかてい
大学を卒業した者に対して当該大学が授与する学位を学士といい,卒業に必要な要件を満たしている大学の教育課程を学士課程という。1991年の学校教育法の改正により,それまで称号であった学士が学位とみなされるようになった。従来「学部教育」など組織に注目した呼び方がなされていたが,「専門の学芸を教授するとともに,幅広く深い教養および総合的な判断力を培い,豊かな人間性を涵養する」よう配慮された学士の課程(プログラム)を重視するという考え方から(中央教育審議会「学士課程の構築に向けて 審議のまとめ」2008年など),次第にこの呼び方に変わってきた。卒業の要件は大学に4年以上在学し,124単位を修得することであるが,専門分野によって例外がある。医学または歯学に関する学科は大学に6年以上在学し,188単位以上を修得しなければならない。また,薬学に関する学科のうち臨床にかかわる実践的な能力を培うことを主たる目的とするもの,および獣医学に関する学科では,いずれも大学に6年以上在学し,それぞれ186単位,182単位を修得しなければならない。
著者: 小笠原正明
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報