元和郡県図志(読み)げんなぐんけんずし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「元和郡県図志」の意味・わかりやすい解説

元和郡県図志
げんなぐんけんずし

中国、唐代の地理書。42巻。唐代には安史の乱以来、しだいに藩鎮(はんちん)が置かれ、国内の事情が変わったので、813年(元和8)宰相李吉甫(りきつほ)が、現状に重きを置き、治政の参考に供するため編纂(へんさん)した。現在、地図および一部の記事を欠くが、地理総誌として現存最古のものである。内容は、10道を、当時の府2と藩鎮47の管轄区に分け、府州ごとに旧州名、郡名、戸数、郷数、藩鎮の州数、戸数、府州の沿革、八到、貢賦、墾田数(潤州、浙西(せっせい)以外欠)、県ごとの沿革、山川形勢、おもな道路、橋梁(きょうりょう)、関、津、駅、風俗、古城宮殿などや、鎮、監牧、営塞(えいさい)、ときに倉庫、兵数にも及んでいる。

[青山定雄]

『青山定雄著『唐宋時代の交通と地誌地図の研究』(1963・吉川弘文館)』

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世界大百科事典(旧版)内の元和郡県図志の言及

【元和郡県志】より

…全国を10道に分け,47鎮の管轄下の府州県ごとに沿革,位置,戸口数と郷数,物産などの地誌的記載をみたしている。元来は《元和郡県図志》といい,47鎮の地図を編首にのせていたが,その〈図〉は失われ今は〈志〉のみが34巻分残っている。【礪波 護】。…

※「元和郡県図志」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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