内科学 第10版 「先天異常症候群」の解説
先天異常症候群(染色体異常・先天異常症候群)
概念
先天的な原因で精神遅滞を呈している児のなかで,特異的な顔貌を含む身体特徴と一群の合併奇形を組み合わせて呈する症候群が提唱され,その原因として微細な染色体欠失による隣接遺伝子症候群や単一遺伝子異常などが同定されてきている.また,Pradar-Willi症候群やAngelman症候群では,インプリンティング遺伝子が隣接している領域での片親ダイソミーの状態が隣接遺伝子症候群の原因となることも知られている.
診断
精神遅滞を伴う児に,身体特徴や身体臓器の奇形を認めた場合には,その特徴から既知の先天異常症候群の可能性がないかを検討する.原因となる遺伝的異常が明らかとなっている疾患については検索を行うことで診断を進めることが可能である.[岡 明]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報