光呼吸
ヒカリコキュウ
photorespiration
光合成生物において,光によって誘起される呼吸をいう.光呼吸による O2 吸収またはCO2発生は,光合成のため見掛け上は現れない.しかし,光を消すと光合成はすぐ止まるが,光呼吸はしばらく続くために,照射停止直後,一時的なCO2発生が起こる.光呼吸は暗呼吸とは異なる過程で行われており,光合成によって生成したグリコール酸がペルオキシソームおよびミトコンドリアの共同作用により,図のようにセリンへ変化する反応であると考えられている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
世界大百科事典(旧版)内の光呼吸の言及
【光合成】より
…現在,ベンケイソウ科のほかサボテン科,アナナス科などの112属300種余り(多肉のものが多い)がCAM植物として知られている。 光のもとでカルビン回路に由来するグリコール酸が,グリコール酸経路により酸化分解される過程を光呼吸photorespirationという。RuBPCはオキシゲナーゼ活性もそなえており(リブロース‐1,5‐二リン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼRuBisCOと呼ばれる),ホスホグリコール酸を生じる(図5)。…
【光合成】より
…現在,ベンケイソウ科のほかサボテン科,アナナス科などの112属300種余り(多肉のものが多い)がCAM植物として知られている。 光のもとでカルビン回路に由来するグリコール酸が,グリコール酸経路により酸化分解される過程を光呼吸photorespirationという。RuBPCはオキシゲナーゼ活性もそなえており(リブロース‐1,5‐二リン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼRuBisCOと呼ばれる),ホスホグリコール酸を生じる(図5)。…
【呼吸】より
…図5)へ入りもう一度脱水素されたのちコハク酸となる場合がある。緑色組織で光のもとで行われるグリコール酸の酸化的分解は光呼吸photorespirationと呼ばれるが,ATP生成がないから本来の呼吸とは生理学的な意味が異なる。 呼吸過程の最後の部分で,NADHやコハク酸から電子を分子状酸素に渡す経路を[電子伝達系]または呼吸鎖という(図6)。…
※「光呼吸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」