兎唇(読み)トシン

精選版 日本国語大辞典 「兎唇」の意味・読み・例文・類語

い‐ぐち【兎唇・缺唇】

  1. 〘 名詞 〙 上くちびるが生まれつき裂けて、うさぎの口のようになっていること。→口唇裂
    1. [初出の実例]「兎缺 続晉陽秋云魏泳之生而兎缺〈俗云以久知〉」(出典:二十巻本和名抄(934頃)三)
    2. 「又中間(ちゅうげん)に悪八郎とて、缺唇(イグチ)なる大力あり」(出典太平記(14C後)二二)

と‐しん【兎唇】

  1. 〘 名詞 〙こうしんれつ(口唇裂)
    1. [初出の実例]「Harelip 兎唇 即唇缺」(出典:医語類聚(1872)〈奥山虎章〉)
    2. [その他の文献]〔事文類聚〕

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改訂新版 世界大百科事典 「兎唇」の意味・わかりやすい解説

兎唇 (としん)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の兎唇の言及

【唇裂】より

…先天性奇形の一つ。上くちびるが裂けている状態から兎唇(としん)とか三つ口といわれ,遺伝的要因が強調されている。しかし,唇裂患者の子どもでは約2%くらいに発生するので遺伝がうかがわれるが,同一家系内にまったく同じ唇裂患者が見いだされない場合が多い。唇裂の発生頻度は全出産の0.08%,唇顎口蓋裂と口蓋裂を含めると0.2%である。唇裂といえば通常,上唇裂をいい,下唇裂は非常にまれである。唇裂は単独に発生するほか,歯槽骨の破裂(顎裂)を伴ったり,さらに口蓋の破裂(口蓋裂)と合併することがある。…

※「兎唇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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