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唇顎口蓋裂(読み)しんがくこうがいれつ(英語表記)cleft lip, alveolus and palate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

唇顎口蓋裂
しんがくこうがいれつ
cleft lip, alveolus and palate

胎生の初期 (6~11週頃) に,顔面を形成する上下左右の突起の融合が,なんらかの原因で阻害されて生じる先天性奇形の代表的なもの。出生 500~600対1の割合でみられる。上唇から歯ぐき,硬口蓋,軟口蓋にわたって破裂し,鼻も変形している。片側性と両側性とがあり,前者がはるかに多い。片側性では左側に多く,男性が女性より多い。ヘルニア,多指症,心臓奇形,小顎症など,他の奇形を合併するものもある。原因として,遺伝,妊娠初期の母体の感染症 (風疹など) ,外傷,薬剤服用,精神的ストレスなどがあげられる。上唇のみ破裂している場合は,唇裂,上唇裂,あるいは兎唇といい,俗にみつくちと呼ばれる。これも左側に多く,男のほうが多い。硬口蓋と軟口蓋,あるいは軟口蓋のみ破裂している場合は口蓋裂と呼び,女性のほうが多い。唇裂の手術的治療の眼目は審美的に形成することであり,口蓋裂では,発語を正常にできるようにすることである。しかし唇顎口蓋裂の場合は,上顎の劣成長のために上顎後退症となり,下顎前突症様の顔貌と反対咬合に加えて,破裂部を含む歯列不正のため,著明な咀しゃく障害がみられる。また,審美的,言語的障害は,成長とともに大きい心理的影響を与える。したがって,生下時から成人にいたるまでの長期計画に基づく一貫した治療が重要となる。

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