党組織論(読み)とうそしきろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「党組織論」の意味・わかりやすい解説

党組織論
とうそしきろん

政党の組織の問題に関する理論。その組織形態,構成,運営の原則,およびそれを貫く党組織の本質的規定などを理論的対象とし,具体的には党規約ないしは党組織形態に集約される。ブルジョア政党においてはあまり問題にならず,おもに共産主義運動において独自の理論的領域として追究された。レーニンは,『なにをなすべきか』 (1902) において党組織の本質的問題を明らかにし,さらに『一歩前進,二歩後退』 (04) を著わして党組織の現実的,形態的な問題を明らかにした。彼によれば,労働者階級は,共産主義者 (党) による外からの働きかけによって初めて社会主義を獲得する (外部注入論) ,したがって党は社会主義にとってきわめて重要であり,それは確固たる継承性をもった指導者の組織でなければならない (職業革命家の党) 。また彼は,党を労働者階級の前衛,階級組織の最高形態,プロレタリア独裁の道具であると規定し,鉄の規律,民主集中性の原則を強調した。レーニンの中央集権的党に反対するものとしてドイツの R.ルクセンブルクの組織論がある。

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