出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…とくに後者の影響は,第2次大戦後もかなり長く残ることになった。1953年のスターリンの死後,56年のソ連共産党第20回大会におけるフルシチョフの秘密報告(スターリン批判),同年のイタリア共産党第8回党大会での国際共産主義におけるポリセントリズムpolycentrism(多中心主義),〈社会主義へのイタリアの道〉の主張,構造的改革路線(構造改革論)などの提起をきっかけとして,ようやく諸共産党関係においては大国共産党とくにモスクワからの〈自主独立〉,戦略・戦術面ではソ連型の暴力革命路線と結びついたプロレタリア独裁(独裁)からの脱却がはかられるようになった。その際,1930年代後半からの反ファシズム統一戦線や第2次大戦下のレジスタンスの経験が大きな意味をもった。…
…生産手段の私有と私的管理,労働力を含む商品の自由競争という資本主義社会の原則を批判して,生産手段の共有と共同管理,計画的な生産と平等な分配を要求する思想と運動,また,その結果具現された社会体制を広く社会主義と呼ぶ。社会主義という用語は,このように思想,運動,体制の次元にわたり,時には資本主義の個人主義的な利潤追求欲に対立するものとして集団主義的な友愛の連帯という倫理の次元までも含んで用いられるために,内容的には多義にわたらざるをえない。…
…しかし,その未来社会についての彼らの立論は,抽象的なものであり,多分にユートピア的なものであった。マルクス,エンゲルスは,資本主義の発展とともにその矛盾が成熟するという条件のもとで,労働者革命によって資本家国家を打倒し,プロレタリア独裁を樹立することを主張した。この権力は旧搾取階級を抑圧するとともに,プロレタリアートには真の民主主義を保障するものである。…
…特定の個人,集団または階級が,権力を集中・独占して支配する政治形態。広義には,他人の意見を聞きいれず一人でものごとを決める意で,企業内(〈社長の独裁〉)や集団内(〈町内会長の独裁〉)で用いられることがあるが,それは政治用語から派生した比喩的用法である。類語として専制政治despotism,オートクラシーautocracy,暴政・僭主政tyrannyなどがあり,日本語の独裁はこれらの意味を含み,despotism,autocracy,tyranny等も独裁と訳される場合がある。…
…マルクス主義の用語。労働者階級が農民をはじめとする勤労人民を指導してブルジョア政治権力を打倒し,プロレタリアートの独裁によって,資本主義制度を一掃し,社会主義社会の建設をめざす革命である。革命の歴史的類型としてはブルジョア(民主主義)革命と対照せられる。またこれを社会主義革命と呼ぶことがあるが,プロレタリア革命という場合には革命の指導勢力に力点がおかれるのに対し(ただしプロレタリアートの指導する革命のすべてがプロレタリア革命になるわけではない。…
※「プロレタリア独裁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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