入道ヶ岳(読み)にゆうどうがだけ

日本歴史地名大系 「入道ヶ岳」の解説

入道ヶ岳
にゆうどうがだけ

鈴鹿山脈の東側、内部うつべ川と、安楽あんらく川の支流御幣おんべ川に挟まれ、大久保おおくぼ山本やまもと小岐須おぎす三町にわたる。標高九〇六・一メートル。入道の名のごとく、山容は堂々として量感があり、山頂は平坦に近く、準平原名残と考えられる。北側の内部川上流の宮妻みやづま渓谷をさかのぼれば、水沢すいざわ峠を経て、滋賀県土山つちやま町に至る。南側の野登ののぼり(八五一・六メートル)との間の小岐須渓谷には、石灰岩が分布し、屏風びようぶ(県指定天然記念物)石大神しやくだいじんなどの奇岩がある。

中腹には磐座信仰の石があり、中世修験道ともかかわりがあった。伝説によれば、役小角の後、現奈良県吉野郡の大峯おおみね山の本山方(聖護院派)の入峯が中絶し、聖宝による当山方(醍醐三宝院派)の入峯が始まるまで「諸州ノ修験者、本州ノ四十八岳ニ登リ、入峯ノ式ヲナスノトキ、此山ニ於テ小童新発意伝法シ、柴灯護摩ヲナス。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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