全身性殺虫剤(読み)ぜんしんせいさっちゅうざい

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

全身性殺虫剤
ぜんしんせいさっちゅうざい

植物の汁液を吸う吸汁性害虫の駆除に用いる殺虫剤。浸透移行性殺虫剤ともいう。植物に施用すると、その成分が根あるいは茎葉から吸収され植物汁液に混入する。アブラムシやグンバイムシなどの小形吸汁性害虫の駆除に用いる。成熟したケムシやコガネムシは致死量に達しないので殺滅できない。散布剤は10日余、根部に施用する粒剤は約1か月と効力が長期間にわたるので予防効果もあり、また、天敵を殺すこともない。食用作物に用いても人間の摂取量は閾値(いきち)(生理的影響の現れる最少量)をはるかに下回るので、収穫物を食べても危険性はない。全身性殺虫剤には次のようなものがある。散布剤には「エカチン乳剤」「バイデート」「ジメトエート乳剤」「アンチオ乳剤」「オルトラン水和剤」「キルバール」など、根部に施用する粒剤には「エカチンTD粒剤」「ダイシストン粒剤」「アンチオ粒剤」「オルトラン粒剤」「アドマイヤー」「モスピラン」など。[村田道雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例