はっ‐かけ【八掛】
〘名〙 女の袷
(あわせ)や
綿入れの
着物の裾
(すそ)の裏につける布。すそまわし。身ごろの裾に
四布、衽
(おくみ)に
二布、えり先に二布、合わせて八つに裁って用いるところからいう。もと上方語で、
江戸では
吉原だけの言い方であった。はきかけ。
※
浄瑠璃・袂の白しぼり(1710頃)上「うら珍しき中紅絹
(なかもみ)の八掛
(ハッカケ)買うて」
はき‐かけ【八掛】
〘名〙 「はっかけ(八掛)」の変化した語。
※
浮世草子・世間母親容気(1752)二「当世小袖はきかけは
黒繻子にてかくし」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「八掛」の意味・読み・例文・類語
はっ‐かけ【八掛】
袷長着の裏裾に用いる布。前後身頃の裾に4布、衽に2布、襟先に2布、合わせて8枚あるのでいう。裾取り。裾回し。
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世界大百科事典(旧版)内の八掛の言及
【あわせ(袷)】より
…日本の衣服特有の仕立て方で長着,羽織,長じゅばん,帯,コートなどがある。女物あわせ長着には胴裏と八掛(はつかけ)(裾回し),男物,子ども物には通裏(とおしうら)をつける。表地とのつり合いがたいせつで男女とも礼装のものは同じ表地を裾裏にも使う共八掛,共裏がきまり。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」