八椚村(読み)やつくぬぎむら

日本歴史地名大系 「八椚村」の解説

八椚村
やつくぬぎむら

[現在地名]足利市八椚町・毛野新町けのしんまち

渡良瀬川・ふくろ川の北岸低台地に位置し、南は常見つねみ村。村名の由来は、原野に八枝の繁茂した大椚があったことによるという(地誌取調)。文明一五年(一四八三)二月日の鑁阿寺仏事銭請取注文案(鑁阿寺文書)に「八椚郷」とみえ、鑁阿寺の経免田二反があったが、当時不知行であった。「堀の内」の地名と北側土塁の一部を残す八椚城は室町中期に八椚弾正忠が築城したという。佐野氏一族の八椚氏は当地の在地領主と考えられ、康正二年(一四五六)と推定される四月七日の佐野盛綱書状案(同文書)によると、関東公方足利成氏方の八椚弾正忠は、享徳三年(一四五四)一二月二七日の鎌倉における関東管領上杉憲忠襲撃に参加している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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