日本歴史地名大系 「八重山島各村之図」の解説
八重山島各村之図
やえやまじまかくむらのず
原本 温故学会
解説 八重山諸島全村(小村も含む)の村ごとの集落図と、各島全図、石垣島・西表島部分図、石垣島・西表島山川之実測見取図、石炭坑之図、スーナ川開墾場之図などからなる。集落図は各村とも彩色図と墨単彩図がある。集落防護林・道路・橋・村番所・屋敷・明屋敷・井戸・御嶽・水路・遠見台・鍛冶屋・製糖小屋・学校・舟屋・布晒屋・田畑・山などが記され、墨単彩図がより詳細。作製の意図は不明だが、明治二七年頃の集落が描かれているとみられており、西表島のいくつかの村は同年の笹森儀助の西表島有病地村名略図に酷似する。図に描かれた集落のうち石垣島の八村、西表島の一〇村、与那国島島仲村、新城島下地村は廃絶しており、これらの村のかつての様子を知るのに貴重であるとともに、八重山の集落形態を考えるうえでも重要な資料。石垣市発行の目録「八重山古地図展」(一九八九年)に収載。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報