八雲鉱山(読み)やくもこうざん

日本歴史地名大系 「八雲鉱山」の解説

八雲鉱山
やくもこうざん

八雲町市街地南西方の鉛川なまりかわ地域にあったマンガン・鉛・亜鉛鉱山。古くから遊楽部ゆうらつぷ鉛山として知られた。宝暦一一年(一七六一)の「御巡見使応答申合書」に「ユウラップ鉛山八十六年以前少し出申候」とみえ、延宝(一六七三―八一)頃少し採掘したが、諸品の輸送が不便なため中止したという。安政六年(一八五九)には箱館奉行所による鉛の採掘が本格化し(書付并伺書類)、文久二年(一八六二)アメリカ人技師パンペリーらによって初の火薬による岩石破砕が試みられた(パンペリー日本踏査紀行)。明治年間はみるべき業績はなかったが、大正七年(一九一八)マンガンを主とした採掘が始まって鉛川鉱山と称し(改訂八雲町史)、昭和六年(一九三一)経営権が株式会社八雲鉱業に移って八雲鉱山と改称した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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