八鬼山
やきやま
旧熊野街道を南に下がる途中、矢の浜と名柄町の中間にあり、標高六二七・六メートル。「紀伊続風土記」に八木山として、「勢州往還三木荘名柄村と此荘矢ノ浜村の間の高山なり、矢浜より峠まて登り五十町、嶮路絶壁他に類すへきものなし、石を敷きて道を作り崩壊を防きて纔に往来する事を得たり、矢浜より峠まての間の半腹を七曲りといふ、この辺殊に嶮なり、名柄村より登るに半腹に十五郎茶屋といふ茶店一軒ありて其前後殊に嶮なり、頂上呉登々々石といふを両荘の堺とす、荒神堂一宇あり、側に修験者の庵ありて往来の休足処とす、九木浦より九木峠をへて此辺へ出る道あり」とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 