公牘(読み)こうとく(その他表記)gōng dú

改訂新版 世界大百科事典 「公牘」の意味・わかりやすい解説

公牘 (こうとく)
gōng dú

中国,官庁公文書古称。また公文ともいう。その保存文書を檔案(とうあん)という。官庁や役人間の文書送達には,その内容や官庁・職階の上下関係によって用うべき文書の種類と形式が定められていた。下行文書の令・批・札,上行文書の呈・申,平行文書の咨など,時代により各種あり,書式や用語法も独特な発達を示した。元代の法律書の《元典章》も公牘から成ったものであり,清代皇帝と官僚との往復文書の宮中檔(硃批諭旨(しゆひゆし))や明・清代の官庁文書は,行政の実態を伝える史料として,近年注目を集めている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「公牘」の読み・字形・画数・意味

【公牘】こうとく

公文。

字通「公」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android