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公文 くもん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公文
くもん

(1) 律令制下の諸官衙から出す文書の総称。諸国から京都に出す公文のうち大計帳正税帳調帳朝集帳四度公文という。 (2) 公文を取扱う役人や職員をいう場合も多い。神祇官公文,院庁官の公文,後院司の公文などがあり,貴族の家で文書を扱った役人をさした。

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デジタル大辞泉の解説

く‐もん【公文】

律令時代公文書(こうぶんしょ)の総称。諸国から中央政府に出した大計帳正税帳朝集帳調庸帳を特に四度(しど)の公文という。
中世、荘園の文書の取り扱い、年貢の徴収などをつかさどった荘官。公文職。
中世、幕府の訴訟機関で、記録を担当した役。
公帖(こうじょう)

こう‐ぶん【公文】

政府や官庁などが職権として作成・発行する文書。公文書

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百科事典マイペディアの解説

公文【くもん】

(1)律令時代の公文書の総称。諸国から中央政府に差し出される大計帳正税帳・朝集帳・調庸帳は特に四度(しど)公文と呼ばれ,重んぜられた。(2)中世,文書の取扱いや年貢徴収に当たる役人のことで,一般的には荘園の下級荘官の一種。
→関連項目荒川荘牛原荘大井荘大浦荘大国荘大部荘公事久世荘国富荘上野国交替実録帳雀岐荘倭文荘荘園(日本)隅田荘坪江荘名田荘幡多荘日根荘細呂宜郷和佐荘

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世界大百科事典 第2版の解説

くもん【公文】

本来は律令制下における公的文書の総称で,とくに大計帳,正税帳,調帳,朝集帳は四度公文として重視された。これら公文を取り扱う所が公文所でその取扱者をも公文と称することがあった。例えば国衙公文所,僧綱所の公文(従儀師の筆頭が選任され,僧綱文書の発給責任者として日付下に署名)があり,公家や社寺でも文書を扱う職掌を公文といった。鎌倉末期の法書《沙汰未練書》には,所務沙汰(しよむさた)の取扱い手続に関して〈開闔かいこう)執筆ハ奉行中宿老,引付細々事記録仁也,又公文トモ云也〉とあり,幕府の引付の書記も公文といったことが知られる。

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大辞林 第三版の解説

くもん【公文】

律令制下における公文書の総称。特に、諸国の国司から中央に出す大計帳・調庸帳ちようようちよう・正税帳・朝集帳を四度しどの公文という。
室町幕府から、五山・十刹じつせつなど禅宗の寺院の住職の補任ぶにんなどに下した文書。公帖こうじよう
中世、貴族の家政機関で文書を扱った役人。
中世、荘園の下級荘官の一。荘園の管理事務をつかさどった。

こうぶん【公文】

政府や官庁の出す文書。公文書。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公文
くもん

古代・中世の公文書(こうぶんしょ)、転じてそれを取り扱う職掌をいう。公文とは本来、律令(りつりょう)制における公式様(くしきよう)文書をさし、語源もそこに由来する。しかし平安時代においては、これらに加えて、大計(だいけい)帳、正税(しょうぜい)帳、朝集(ちょうしゅう)帳、調帳の中央と地方の行政を結ぶ四度(よどの)公文が重視され、公文とはこれらの代名詞のようにさえなった。時代が下るにしたがって寺社や貴族・武家権門の発給する文書も公文とよばれるようになり、家政機関としての公文所が生まれた。しかし、公文がもっとも注目を浴びるのは荘園(しょうえん)制における荘官としての存在である。荘官としてはほかに下司(げし)や田所(たどころ)などがあったが、なかでも公文は下級のものと考えられている。荘園における荘官の職掌は個々の荘園において差異があるが、公文については文書を扱うという点においてはほぼ一貫しており、したがって読み書きのできる人物があてられた。具体的には、年貢納入の際作成される算用状(帳)や結解(けちげ)の作成にあたった。ほかにも勧農(かんのう)などの権能があった。また、公文の実態的な性格としては荘・保の開発領主が多く、所領の一部は荘園領主から給田などの得分(とくぶん)として認められ、それらをてこに在地領主化する者もあった。[蔵持重裕]

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世界大百科事典内の公文の言及

【公牘】より

…中国,官庁の公文書の古称。また公文ともいう。…

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