六・三・三制(読み)ろく・さん・さんせい

大学事典 「六・三・三制」の解説

六・三・三制
ろく・さん・さんせい

単線型初等中等教育における段階区分論。アメリカではヨーロッパの影響を受けた小学校8年・ハイスクール4年という学校制度が一般的であったが,教育の機会等の理念のもと,小学校からハイスクールへの移行のタイミングなどの問題から教育改革運動が起こり,20世紀前半に小学校6年・ハイスクール6年という形への修業年限の改革,さらに6年のハイスクールを3年ごとに2分する改革が進められた(ジュニアハイスクール設立運動)。この新たな制度は6-3-3planと呼ばれ,日本でも大正期に紹介されて六・三・三制の原語となった。昭和期に入ると,このモデルに即しながら教育機会の平等を保障する単線型教育制度への改革が,阿部重孝などによって議論された。占領期の改革においてもこの六・三・三制構想は引き継がれ,「米国教育使節団報告書」(1946年4月)に盛り込まれてその後法制化され,現在まで日本の初等・中等教育の段階区分として堅持されてきている。
著者: 橋本鉱市

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報