精選版 日本国語大辞典 「其式」の意味・読み・例文・類語
それ‐しき【其式】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 「しき」はやり方、方法の意 ) そのやり方。その方法。その様式。
- [初出の実例]「さいじょからたちばな、紫の門とこそ仰せられしが、それしきの門は、いづくに候らん」(出典:御伽草子・物くさ太郎(室町末))
- ② ( 「しき」は接尾語 ) 事柄の性質、内容、程度が問題とするに足りないほどであること。その程度。それぐらい。たかがそれほど。それしこ。それてい。
- [初出の実例]「それしきな事に死ぬ事があるものか」(出典:咄本・福来すずめ(1789)息子)
其式の補助注記
②の類義語に「それてい」があるが、時代的には「それしき」がやや遅れて見られる。なお、近世には、連体修飾をする際、「それしきの」のほかに「それしきな」の形も一般に用いられた。