内科学 第10版 「内視鏡的胃瘻造設術」の解説
内視鏡的胃瘻造設術(内視鏡的インターベンション)
内視鏡を用いて胃壁と腹壁との間に瘻孔を作成し,その部分を介してカテーテルを挿入する方法である.このカテーテルを用いて経管栄養や,消化管内の減圧を行う.脳梗塞後遺症,認知症,球麻痺症状を呈する神経疾患,食道癌や噴門部癌による狭窄などによる嚥下障害に対して栄養を補給するルート確保が必要な場合や,癌性腹膜炎による慢性イレウスなどに対する減圧術が必要な場合が適応となる.これまで行われてきた従来の外科的手術による胃瘻造設術に比べて,開腹が必要でなく局所麻酔のみでよいこと,手技が容易なことなどの利点がある.
また内視鏡的な手技ではないが,胸郭内に胃が存在したり胃切後のためにPEGが実施不可能な症例に対して,経管栄養ルートを確保する経皮経食道胃管挿入術(percutaneous transesophageal gastro-tubing:PTEG)も開発されキットが市販されている.[矢作直久]
■文献
日本胃癌学会編:胃癌治療ガイドライン(医師用),2010年10月改訂第3版,金原出版,東京,2010.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報