冠石野村(読み)かぶしのむら

日本歴史地名大系 「冠石野村」の解説

冠石野村
かぶしのむら

[現在地名]耶馬渓町冠石野、耶馬渓やばけい町冠石野

山国やまくに川中流域の浸食平野にあり、東は賢女けんじよヶ嶽、南は多志田たしだ村、西・北は山となる。弘安七年(一二八四)頃と思われる関東下知状断簡(櫛野文書)に「資時知行内冠師野村東限河中、西限唐門大尾、南限岩原谷、北限犬谷」とみえ、野仲次郎入道正行と兵庫(高並)馬次郎兵衛資時との相論があり、両者はいったん和与した。建武元年(一三三四)頃の一〇月九日豊前守某遵行状案(田口文書)に「豊前国冠師野村一方地頭田口三郎直連申、田中三郎五郎入道行西打入当村」とあり、この村をめぐって田口氏と田中氏の争いが生じている。天正七年(一五七九)一一月六日の成恒鎮直知行宛行坪付(成恒文書)に「下毛郡之内一所五町、田口東西并散在分冠師野加之」とあり、成恒氏が田口氏から買得したのであろうか。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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