出床(読み)デドコ

デジタル大辞泉 「出床」の意味・読み・例文・類語

で‐どこ【出床】

江戸時代橋際河岸かし路傍などに移動可能の小屋を建てて営業した髪結い床

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精選版 日本国語大辞典 「出床」の意味・読み・例文・類語

で‐どこ【出床】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代、路傍や橋の付近などに小屋を建てて営業した髪結い床。⇔内床(うちどこ)
    1. [初出の実例]「出床と称し路傍及び橋辺等に小屋を造り床とする者凡六百余戸」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)二二)
  3. 夕涼みのために外に出す床几(しょうぎ)
    1. [初出の実例]「夏は涼の出床(デトコ)」(出典浮世草子・元祿大平記(1702)序)

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世界大百科事典(旧版)内の出床の言及

【髪結】より

…鑑札のない営業者は家主ともども罰せられ,1852年(嘉永5)には鑑札の数は1700枚に達した。 髪結床には町境,橋詰め,川岸などの空地に床場をかまえる出床(でどこ)と,町内に家を借りて営業する内床(うちどこ)があり,出床は内床の支店の場合が多かった。〈床〉は取りたたむことのできるような簡略な仮店で,床店ともいった。…

【床屋】より


[日本]
 〈床屋〉の語は江戸時代に生まれたことばで,髪結の店,つまり,髪結床(かみゆいどこ)の俗称であった。簡単に取りたたむことのできる仮設の床店(とこみせ)が多かったための称で,橋詰め,川岸,道路ぎわなどの床店を出床(でどこ)と呼ぶのに対して,町内の家屋を使って営業する場合でも,内床(うちどこ)といった。男性客のみを対象としたもので,従業者も男子に限られており,1842年(天保13)には,下ぞりを妻に手伝わせる店のあることが問題になり,〈男女の差別も薄く,風俗にも拘(かかわ)る〉として禁止された。…

※「出床」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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