ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分子真空ポンプ」の意味・わかりやすい解説 分子真空ポンプぶんししんくうポンプmolecular vacuum pump 分子ポンプともいう。気体分子同士の衝突がほとんど起らず,気体分子と壁との衝突が支配的となる自由分子流領域の真空において,モレキュラードラッグ効果 (MDE,molecular drag effect) を利用して排気を行う真空ポンプ。壁面に衝突した気体分子は,壁面の分子と干渉して,壁面の運動方向の運動量を得る。壁面が分子速度に近い程度の高速で運動していると,その方向の気体分子の運動量の増加も顕著となる。このようにして自由分子流領域においても気体分子に特定の方向の運動量を与えることが可能であり,これをモレキュラードラッグ効果という。高速で回転運動する円筒面を利用するドラッグポンプと,高速回転する翼を利用するターボ分子ポンプがある。ドラッグポンプは 1910年代にドイツの物理学者 W.ゲーデが考案したもの。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by