ターボ分子ポンプ(読み)ターボぶんしポンプ(その他表記)turbo molecular pump

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ターボ分子ポンプ」の意味・わかりやすい解説

ターボ分子ポンプ
ターボぶんしポンプ
turbo molecular pump

分子真空ポンプの一つ。 1957年にドイツのベッカーによって発明された。外周部に多数の翼をもつ回転円盤 (動翼) と,それとは逆方向に傾斜した翼をもつ固定円盤 (静翼) とを交互に数十段配置し,動翼を数万 rpmで高速回転させ,周速度を分子速度と同程度とし,モレキュラードラッグ効果により吸気側から排気側への気体分子の翼間通過確率が,逆方向の通過確率よりも高くなることを利用して排気を行う。排気速度は 50~25000 l/s ,連続排気が可能で 1Pa程度から超高真空領域まで一定の排気速度をもつが,圧力勾配によって排気側から吸気側に逆流を起さないように,排気側に補助真空ポンプを取付ける必要がある。到達真空度は約 10-7Pa 。原理的に分子量の大きい分子ほど圧縮比が高くなるため,油分子の吸気側への逆流がほとんど生じず,清浄な真空を得ることができるが,最近は動翼の軸受を油潤滑式の玉軸受から磁気軸受や空気軸受にすることにより,一層の清浄化がはかられつつある。

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