利賀村（読み）とがむら

日本歴史地名大系

利賀村
とがむら

• 富山県：東礪波郡
• 利賀村

面積：一七七・五八平方キロ

郡の南東部に位置し、北は井波（いなみ）町・庄川（しようがわ）町、東は婦負（ねい）郡山田（やまだ）村・八尾（やつお）町、南は岐阜県吉城（よしき）郡河合（かわい）村・大野（おおの）郡白川（しらかわ）村、西は井口（いのくち）村・城端（じようはな）町・平（たいら）村。村域はおよそ東西二〇キロ・南北五二キロで、林野面積一七一平方キロ（うち国有林二五平方キロ・公有林六五平方キロ・私有林八一平方キロ）と村の九六パーセントが山林である。地形上は庄川本流の両岸口山（くちやま）地区（旧大牧村・新山村・重倉村・長崎村・北原村・栃原村・下原村の七ヵ村）および支流の利賀川全域と神通川支流の百瀬（ももせ）川（山田川の上流）全域の三水系からなり、歴史性・文化性には多少違いがある。

縄文時代の遺物の出土は高沼（たかぬま）・上畠（うわばたけ）・坂上（さかうえ）・阿別当（あべつとう）にみられるが、珍しい十字形石器や三頭石斧の出土で知られる岩淵（いわぶち）遺跡や高沼遺跡がその代表である。弥生時代・古墳時代の遺跡・遺物は現在のところ発見されていない。古代の伝説は様々に語り継がれているが、史料がなく不詳。宝篋印塔の残欠を墓とする大野権兵衛は寿永二年（一一八三）の倶利伽羅（くりから）峠合戦の平家残党と伝える。大豆谷（おおまめだに）八幡宮所蔵の八幡神像背面銘の永和四年（一三七八）四月二四日は五箇山（ごかやま）でいちばん古い年号銘記であり、五ヶ山の文字が初めて現れるのは大豆谷高田家安置の永正一〇年（一五一三）一二月五日付の阿弥陀如来絵像裏書である。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」