制振合金(読み)セイシンゴウキン

化学辞典 第2版 「制振合金」の解説

制振合金
セイシンゴウキン
damping alloy

振動減衰能が高く,振動エネルギーを短時間のうちに低減する性能を有する合金.減衰能とは振動1サイクル当たりの振動エネルギー損失率のことであり,この値が10% 以上のものを制振材料という.振動の減衰は材料中の内部摩擦により生じ,減衰の機構によって複合型,強磁性型,転位型,双晶型などに分類される.鋳鉄は代表的な制振合金であり,旋盤などの機械工作機器の基盤材料として広く用いられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の制振合金の言及

【防振合金】より

…構造材料として使用できる強さと靱性(じんせい)をもち,振動の減衰能が大きく,防振あるいは防音の役割も果たす合金。制振合金ともいう。金属材料は一般に振動が持続しやすいことは金属製品をたたいてみるとわかるが,この特性は楽器の発音体や釣鐘などに利用されている。…

※「制振合金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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