制振材料(読み)せいしんざいりょう(英語表記)damping materials

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

制振材料
せいしんざいりょう
damping materials

騒音や振動の発生,あるいは伝播を抑制するために使用される減衰能の高い材料。減衰能というのは,振動など外から加えられた力学的エネルギーを材料内部で熱エネルギーに変換する能力である。力を加えたとき,ゆがみが時間的に遅れて発生 (粘弾性体) すると減衰能が生じる。プラスチック,ゴムなどはこのような性質をもっているので,制振能力に富んだ材料といえる。また,力を加えたり除くとき生じるゆがみに差 (ヒステリシス) があると,このときも減衰能が生じる。通常,合金の減衰能は低いが,強磁性の合金や熱弾性マルテンサイト変態する合金にはヒステリシス型の高減衰能を示すものがあり,強度を求められる制振材料として,郵便物自動区分機のシューター,精密測定機器歯車などに用いられる。鋼とプラスチックを張合わせた制振鋼板は,電気洗濯機などに用いられている。

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知恵蔵の解説

制振材料

振動エネルギーを吸収し、熱として発散して、振動・騒音を大きく減らす機能を持つ材料で、合金(防振合金)と複合材料(プラスチックをはさんだ制振鋼板)がある。工作機械の土台に使われる黒鉛鋳鉄が、そのはしり。防振合金は円盤鋸、コンピューター周辺機器などに、制振鋼板は電化製品、車両、床材に使用。

(岡田益男 東北大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

百科事典マイペディアの解説

制振材料【せいしんざいりょう】

振動エネルギーを吸収する材料で,振動や騒音を防止する材料。防振材料ともいう。素材としては,制振合金などの金属系,スラグ複合材などの無機系,高分子や木材などの有機系など。金属系には,黒鉛鋳鉄やアルミニウム・亜鉛合金などの制振合金と,プラスチックをはさんだ制振鋼板(サンドイッチ鋼板)などの複合材料がある。制振合金は工作機械の土台やコンピューター周辺機器などに使用され,制振鋼板は洗濯機などの家電製品,車両などに使われる。

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