制振材料(読み)せいしんざいりょう(その他表記)damping materials

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「制振材料」の意味・わかりやすい解説

制振材料
せいしんざいりょう
damping materials

騒音振動の発生,あるいは伝播を抑制するために使用される減衰能の高い材料。減衰能というのは,振動など外から加えられた力学的エネルギーを材料内部で熱エネルギーに変換する能力である。力を加えたとき,ゆがみが時間的に遅れて発生 (粘弾性体) すると減衰能が生じる。プラスチック,ゴムなどはこのような性質をもっているので,制振能力に富んだ材料といえる。また,力を加えたり除くとき生じるゆがみに差 (ヒステリシス) があると,このときも減衰能が生じる。通常,合金の減衰能は低いが,強磁性の合金や熱弾性マルテンサイト変態する合金にはヒステリシス型の高減衰能を示すものがあり,強度を求められる制振材料として,郵便物自動区分機のシューター,精密測定機器歯車などに用いられる。鋼とプラスチックを張合わせた制振鋼板は,電気洗濯機などに用いられている。

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百科事典マイペディア 「制振材料」の意味・わかりやすい解説

制振材料【せいしんざいりょう】

振動エネルギーを吸収する材料で,振動や騒音を防止する材料。防振材料ともいう。素材としては,制振合金などの金属系,スラグ複合材などの無機系,高分子木材などの有機系など。金属系には,黒鉛鋳鉄やアルミニウム亜鉛合金などの制振合金と,プラスチックをはさんだ制振鋼板(サンドイッチ鋼板)などの複合材料がある。制振合金は工作機械土台やコンピューター周辺機器などに使用され,制振鋼板は洗濯機などの家電製品,車両などに使われる。

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