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防振合金 ぼうしんごうきんhigh-damping alloy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

防振合金
ぼうしんごうきん
high-damping alloy

音や振動のエネルギーを吸収し減衰させる特性をもつ合金。制振合金ともいう。音や振動を伝えやすいという金属の欠点を補うよう開発されたもので,2相混合組織,磁区壁の非可逆移動などによって振動エネルギーを吸収する。アルミ亜鉛合金,鉄-ニッケル-12%クロム鋼,マンガン-銅合金,銅-アルミ-ニッケル合金,マグネシウム-ジルコニウム合金などがある。鉄-クロム-アルミ合金は,フェライト系のステンレス防振合金でサイレンタロイともいう。鉄-モリブデン合金はゼンタロンと呼ばれる。なお,鋼板間にゴムや樹脂をはさんで防振,防音に用いる制振鋼板とは別のもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼうしんごうきん【防振合金 high‐damping alloy】

構造材料として使用できる強さと靱性(じんせい)をもち,振動の減衰能が大きく,防振あるいは防音の役割も果たす合金。制振合金ともいう。金属材料は一般に振動が持続しやすいことは金属製品をたたいてみるとわかるが,この特性は楽器の発音体や釣鐘などに利用されている。しかし一方,機械の振動や発する騒音は公害として社会問題にもなっている。機械の振動を少なくするには,設計の際に寸法・形状をくふうしたり,ゴムなどのダンパーを付けたりすることが一般に行われているが,材料そのものに防振性をもたせるという発想で合金の研究が進められた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

防振合金
ぼうしんごうきん
damping alloy

振動の減衰の著しい合金。機械の振動発生源に使用して騒音を防ぎ、また共振状態になることを防止するための合金である。減衰の原理から次のように分類される。〔1〕母相と第二相界面の流動(片状黒鉛鋳鉄など)、〔2〕磁性合金中の磁区の移動(鉄‐クロム‐アルミニウム合金=サイレンタロイなど)、〔3〕双晶やマルテンサイト相の境界の移動(ニッケル‐チタン合金=ニチノール、およびマンガン‐銅合金など)。そのほか、マグネシウム合金も減衰能が大きいので利用される。[須藤 一]

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