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鋳鉄 ちゅうてつ cast iron

翻訳|cast iron

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鋳鉄
ちゅうてつ
cast iron

鋳物用鉄で,通常炭素 C3~5%,ケイ素 Si1.4~2.5%,マンガン Mn0.3~2.0%,ほかにリン,硫黄などの不純物を含む。銑鉄,屑鉄をキュポラアーク炉などで組成を調整し溶製する。

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デジタル大辞泉の解説

ちゅう‐てつ〔チウ‐〕【鋳鉄】

炭素を2.0~4.5パーセント程度ふくむ鋳物用の鉄。機械加工が容易であるが、衝撃力に弱い。普通鋳鉄・高級鋳鉄特殊鋳鉄可鍛鋳鉄などに分類される。いてつ。

い‐てつ【鋳鉄】

ちゅうてつ(鋳鉄)

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百科事典マイペディアの解説

鋳鉄【ちゅうてつ】

銑(ずく)鋳物用の銑鉄または銑鋳物そのもの。一般に炭素3.0〜3.6%,ケイ素1〜2%,マンガン0.5〜1%,リン0.3〜1.0%,硫黄0.06〜0.1%を含む。
→関連項目降伏点鋳造鋳鉄管

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大辞林 第三版の解説

ちゅうてつ【鋳鉄】

2.1~3.6パーセント程度の炭素と、ケイ素・マンガンなど若干を含む鉄合金。また、その製品。ねずみ鋳鉄・球状黒鉛鋳鉄・可鍛鋳鉄などがある。鋼に比べて溶融点が低く、もろい。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鋳鉄
ちゅうてつ
cast iron

鋳物用に使われる高炭素の鉄。現代は鉄の時代といわれ、構造物や機械の基礎材料として広く用いられている。この鉄は鋼(はがね)と鋳鉄とに大別され、前者は炭素含有量が2%以下(ほとんどの鋼は1%以下)で圧延や線引きなどの塑性加工に適するが、後者は炭素含有量が2%以上(ほとんどの鋳鉄は3%以上)で溶融点が低く、鋳型内での流動も容易で鋳物用金属として広く用いられる。鋳物は鋳鉄のほかに鋼や銅合金や軽合金によってもつくられるが、鋳物全体のうち鋳鉄製のものが約80%を占める。
 鋳鉄は炭素のほかにケイ素を1~2%含むが、ケイ素が多いと炭素が黒鉛の結晶として鋳鉄の組織中に現れる。その形は薄片状を呈しているので、鋳鉄はここから折れやすく、鋼に比べてもろい欠点がある。また折れ口に現れる黒鉛の結晶がねずみ色を呈するので、このような鋳鉄をねずみ鋳鉄という。また機械的性質が鋼ほど優れていないので「ずく鋳物」などの現場用語も用いられる。
 鋳鉄の機械的性質を改良するために炭素量を減らして黒鉛結晶の量や大きさを減少させたものを高級鋳鉄あるいは強靭(きょうじん)鋳鉄という。また、ケイ素量を減らして黒鉛結晶のかわりに鉄と炭素との化合物であるセメンタイトFe3C結晶を生じさせ、その後これを焼鈍して塊状の黒鉛結晶にして機械的性質を向上させたものを可鍛鋳鉄という。さらにマグネシウムあるいはセリウムを少量添加してから鋳型に鋳造して凝固させると、黒鉛結晶が球形に現れて機械的性質は格段に向上し鋼の性質に近くなる。これは球状黒鉛鋳鉄とよばれ、水道用鋳鉄管や自動車のクランクシャフトその他の強度部材に広く使われている。
 前述の薄片状の黒鉛結晶は機械的性質に関しては弱点となっているが、一方、振動を吸収したり、熱伝導を促進したり、潤滑油を含浸して摺動(しゅうどう)部分の耐摩耗性を向上したりするなどの工学的に優れた性質を鋳鉄に与えている。
 ケイ素を減らしたりクロムを増したりすると、黒鉛のかわりにセメンタイトを生じて非常に硬い鋳鉄が得られる。破面が白いので白(はく)鋳鉄とよばれ、耐土砂摩耗材料などに用いられる。そのほか、ニッケル、クロム、モリブデン、ケイ素などをとくに加えて耐腐食、耐高温、耐酸化などの性質を与えた特殊鋳鉄も数多くあり、歴史的にも鋳鉄は古くから人類に親しまれた材料である。[井川克也]

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世界大百科事典内の鋳鉄の言及

【製鉄・製鋼】より

特殊鋼は合金鋼とふつう同意義に使われるが,その定義は国により異なる場合がある。 工業用鉄類はその炭素濃度により,0.007%以下を工業用純鉄,0.007~2.0%を鋼,2.0%以上を銑鉄,鋳鉄と大別している。ただし工業用純鉄と鋼との区別は主として焼入効果(高温の材料を水,油などに入れて急冷し,徐冷のときと異なる組織にする熱処理)の有無による。…

【鋳造】より

…材質と鋳物の種類によって,適切な鋳込み温度が定まっており,溶湯を測温して確かめる。ねずみ鋳鉄の場合には,湯面模様によって溶湯の温度を判断することも広く行われている。注湯する場合には,取鍋をクレーンで吊って運ぶか,小物では,湯汲みを使って行われる。…

【鋳鉄・鋳鋼】より

…鋳鉄cast ironとは銑鋳物(ずく鋳物)用の銑鉄または銑鋳物そのものをいう。炭素3.0~3.6%,ケイ素1~2%,マンガン0.5~1.0%,リン0.3~1.0%,硫黄0.06~0.1%を含む鉄合金で,鋳造しやすく,また切削加工しやすい材料である。…

【鉄】より

…【佐藤 進】
[中国,インド]
 古代では東洋,ことに中国で早くから製鉄技術が高い水準に達し,西洋をはるかに凌駕していたという説が最近J.ニーダムによって主張されている。その主要根拠は,中国ですでに紀元前から鋳鉄が製造されたことである。純鉄の融点は約1540℃,鉄の炭素含有量が増加すると融点が下がり炭素4%前後で約1200℃となる。…

【鉄器】より

…これらの自然鉄や隕鉄の利用は鉄塊に打撃を与えて加工する点で,石器製作と基本的に同じ原理に基づいており,製錬工程を経た鉄の利用とは本質的に異なる。 鉄器は,高温で溶解した銑鉄を鋳型に流し込んで作る鋳造品(鋳鉄)と,銑鉄を打ち鍛えて作る鍛造品(鍛鉄)とに分かれる。前者は炭素含有量が1.7%以上で硬度は高いがもろく,容器などに適し,後者は炭素含有量が1.7%以下の範囲にあって,適度な硬度と展性をもつために刃物に適する。…

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