前下(読み)まえさがり

精選版 日本国語大辞典 「前下」の意味・読み・例文・類語

まえ‐さがりまへ‥【前下】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 前の方が、下がっていること。まえこごなり。
    1. [初出の実例]「まへさがりにさし給ふ刀こそ」(出典:曾我物語(南北朝頃)六)
  3. 羽織などの前丈を脇から衿先へ向けて斜めに長くして仕立てること。また、その身丈より長くした寸法
    1. [初出の実例]「あわせはおり黒の無地八丈、まへ下りながき仕立」(出典:洒落本・通言総籬(1787)一)
  4. 着物の前がさがっていること。しどけなく見える着方。
    1. [初出の実例]「丸髷ぐらぐら前さがりの裾だらしなく」(出典:腕くらべ(1916‐17)〈永井荷風〉一一)
  5. 衣服前身頃の中央に向かって丈がしだいに長くなっていること。また、その部分。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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