前郷(読み)まえごう

日本歴史地名大系 「前郷」の解説

前郷
まえごう

子吉こよし川左岸に位置し、対岸むかい郷。子吉川に沿って開けた平野部で、矢島城下町のある城内じようない村を中心とする地域。

応仁元年(一四六七)由利十二頭の大井義久が八森はつもりに館を築いた。文禄元年(一五九二)その子孫が仁賀保氏に敗れ、仁賀保氏領となる。近世初期には度々領主が変わり、寛永一七年(一六四〇)生駒氏矢島藩領となる。同年の郷高は一千五八八石一斗一升二合で、含まれる村は城内村・九日町ここのかまち村・あら町村・七日町なのかまち村・荒沢あらさわ村・根々荒沢村・小板戸こいたど村・須郷田すごうだ村と郷内ごうない村の一部(矢島町史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の前郷の言及

【由利[町]】より

…鳥海山北麓にあたる由利原の台地と,町中央を貫流する子吉(こよし)川,西部の鮎川に沿う平野部とからなる。中心の前郷は,近世には子吉川水運の拠点として栄え,1922年には川沿いに横荘(おうしよう)西線(本荘~前郷)が開通して商業中心地としても繁栄した。しかし37年,横荘西線が国鉄に買収されて矢島(やしま)線(現,由利高原鉄道鳥海山ろく線)となり,翌38年に矢島まで延長されると,中心地としての機能は矢島に移った。…

※「前郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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