総百姓(読み)そうびゃくしょう

精選版 日本国語大辞典 「総百姓」の意味・読み・例文・類語

そう‐びゃくしょう‥ビャクシャウ【総百姓・惣百姓】

  1. 〘 名詞 〙 村を構成する基本百姓。村内にあって公租・公課を負担する百姓の全員で、下人(げにん)家抱(けほう)など自立性の乏しい百姓は含まれない。村請制がとられていた江戸時代には、年貢その他の課役については村中の総百姓が連帯責任をおっていた。村によっては庄屋・組頭を入札(選挙)によって決めており、総百姓はその選挙権被選挙権を持っていた。〔地方凡例録(1794)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の総百姓の言及

【百姓一揆】より

…1637(寛永14),38年の島原・天草一揆(島原の乱)は,武力一揆と逃散の二つに分離していた農民闘争が次の本来的な一揆的結集へ転換していく分水嶺の位置にある。
[惣百姓強訴]
 居村内でのねばりづよい小農自立闘争と領主の小農維持政策によって近世農村が成立してくると,小農民が惣百姓として村役人を通じて領主と向かいあうことになった。兵農分離はいっそう貫徹し,武器は百姓の手から奪われて武力一揆は終わった。…

※「総百姓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android