日本大百科全書(ニッポニカ) 「八森」の意味・わかりやすい解説
八森
はちもり
秋田県北西端、山本郡にあった旧町名(八森町(まち))。現在は山本郡八峰(はっぽう)町の北半分を占める地域。青森県に接し、日本海に臨む。旧八森町は、1954年(昭和29)八森、岩館(いわだて)の2村が合併して町制施行。2006年(平成18)峰浜村と合併して、八峰町となった。JR五能(ごのう)線、国道101号が通じる。1464年(寛正5)真瀬(ませ)川上流に銀鉱を発見、寛永(かんえい)年間(1624~1644)には銀山奉行(ぶぎょう)が支配し、院内銀山に次ぐ銀山として栄えたが、以後産銀は激減。1906年(明治39)創業の八盛鉱業所(はっせいこうぎょうしょ)(のち発盛鉱業所)も当時従業員2000人を数えたが、その後銅精錬に変わった。八森、岩館の漁港はハタハタ漁などで知られ、海岸一帯は八森岩館県立自然公園に指定されている。1993年に後背の白神山地が世界遺産に登録され、秋田白神県立自然公園にもなっている。
[宮崎禮次郎]
『『八森町史』(1976・八森町)』▽『『八森町誌』2巻(1989、2004・八森町)』