日本歴史地名大系 「創垂可継」の解説
創垂可継
そうすいかけい
二二部八〇巻 大関増業編著
成立 文化一四年頃
原本 黒羽町
解説 書名は孟子梁恵王章句下の「君子創業垂統為可継也」による。「首巻序 凡例」に「此の書の部類の中に主人の文意あり又下臣の文意あり」と記されているように、必ずしも増業自身だけが筆をとったわけではない。内訳は丹治比系伝一〇巻・家訓一巻・三社祭式一巻・年中行事二巻・規定雑類三巻・居館規矩二巻・公務録七巻・家法軍制七巻・嘉礼式一巻・葬祭式一巻・租入会計録二巻・諸職条約三巻・諸職誓文按一巻・諸職掲示二巻・親諭二巻・賞罰例類七巻・刑獄裁判一巻・封域郷村誌一一巻・水利考三巻・農政録四巻・農商暁諭一巻・諸臣系略八巻。「創垂可継」を納めている桐箱蓋裏書には、文政二年初夏に記された「創垂可継全部三役預り掟」があり、これによれば「此一箱中之全部七十一巻者家政の亀鑑也是以家老用人大目付右三役之外猥ニ不免他見処なり」とある。三社祭式中の鎮国社伝・年中行事・規定雑類・租入会計録・家法軍制・封域郷村誌は「大秘書」とされた。なお「創垂可継別集」なるものが存在していたが、「創垂可継」目録の下に「別集全部二十巻、文政五年黒羽館、冬十月三日焼失之時成灰燼」と朱書されているといい、目録のみ現存。
活字本 「黒羽藩政史料創垂可継」、「栃木県史」史料編近世四(抄録)など
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報