日本大百科全書(ニッポニカ) 「劉河間」の意味・わかりやすい解説
劉河間
りゅうかかん
(?―1200)
中国の医家。金元(きんげん)医学の四大家の一人。名は完素(かんそ)、字(あざな)が守真、通玄処士と号した。河間(河北省)に住み、河間先生ともよばれた。『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』を研究し、張仲景(ちょうちゅうけい)の処方をよく使った。金の皇帝に招かれたが官にはつかず、民間の医者として活躍した。疾病を「木火土金水」の五運と「風熱温火燥寒」の六気に分類し、ことに火・熱によっておこるものを重視して火熱論を唱えた。好んで寒涼の薬剤を用いたので「寒涼派」といわれる。著書は『運気要旨論』『精要宣明論』『素問玄機原病式』などがある。
[山本徳子]
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