最新 地学事典 「加水軟化」の解説
かすいなんか
加水軟化
hydrolytic weakening
石英の高温高圧変形実験を行っている過程で,D.T.Griggsにより発見された現象。同一温度・封圧・歪み速度で,石英をドライな環境で変形させたときの差応力を,ウェットな環境での差応力と比較すると,前者のほうが約10倍ほど高いこと,すなわち硬いことがわかった。この原因として,ウェットな環境ではH2OがSiO2のネットワークに入り込み,Si-OH-HO-Siというボンドを形成し,OH-HOは切れやすいので,結果として石英が軟らかくなるという説明がある。実際,自然界での石英は,例えば,マイロナイトや変成岩中では斜長石よりも軟らかい挙動を示すことが多い。この原因として石英の加水軟化現象は有力である。
執筆者:増田 俊明
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

