マイロナイト(読み)まいろないと(その他表記)mylonite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マイロナイト」の意味・わかりやすい解説

マイロナイト
まいろないと
mylonite

地下深部における断層運動で、再結晶作用を伴う延性変形によって形成された、細粒で緻密(ちみつ)な断層岩。圧砕岩、ミロナイトとよばれることもある。スコットランドモイン衝上(しょうじょう)断層に沿って分布する細粒な岩石に対して初めて用いられた。マイロナイト中には、剪断(せんだん)面に平行な面構造が明瞭(めいりょう)に認められ、剪断方向に平行な線構造が認められる。

 断層運動がおこるとき、地下浅部では脆性(ぜいせい)変形がおこるが、深部は温度が高いため、石英などの鉱物は再結晶して多結晶化し、細粒の断層岩となる。長石などの一部の粒子が細粒化を免れて、ポーフィロクラストとよばれる大きな斑晶(はんしょう)状の粒子が残っていることがある。このような粒子には、σ(シグマ)組織やδ(デルタ)組織などの剪断に伴う粒子の非対称変形組織が認められることがある。マイロナイト化の程度によって、程度の低いほうからプロトマイロナイト、マイロナイト、ウルトラマイロナイトなどと分類される。日本では、中央構造線に沿う領家花崗岩(りょうけかこうがん)起源鹿塩マイロナイト(かしおまいろないと)が有名であるが、マイロナイトは日本各地の断層帯から報告されている。

[村田明広]

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最新 地学事典 「マイロナイト」の解説

マイロナイト

mylonite

断層の変形に伴って形成される断層岩のうち,地下深部で塑性流動を受けたもの。圧砕岩,ミロナイトとも。C.Lapworth(1885)命名。一般に断層に沿った狭長な地帯(数km~数十km)に分布し,延性剪断帯を構成している。剪断帯の姿勢に平行な面構造が特徴的に発達し,しばしば縞状の組織を呈する。また,面構造上には運動方向を示す線構造が認められることが多い。鏡下では,塑性変形に伴う動的再結晶作用によって母岩鉱物が多結晶化および細粒化した組織が一般的に認められる。眼球状を呈する母岩の残晶(ポーフィロクラスト)を伴うこともあるが,変形が著しい場合,または母岩が細粒鉱物からなる場合は,微粒結晶の集合体となる。細粒基質とポーフィロクラストとの量比や基質部の再結晶鉱物の粒径に基づき,プロトマイロナイト,マイロナイト(狭義),ウルトラマイロナイトに区分。マイロナイト化により細粒化したフィライト状圧砕岩をフィロナイトという。再結晶作用が進み新鉱物が生成されたものをブラストマイロナイトという。語源はギリシア語のmylon(ひき臼)。

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参照項目:断層岩の分類と形成条件

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世界大百科事典(旧版)内のマイロナイトの言及

【ミロナイト】より

…マイロナイトともよぶ。動力変成作用をうけて変形し再結晶した岩石の総称。…

※「マイロナイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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